原点

部屋の片付けがちっとも進まないので、諦めて映画鑑賞に走る。…駄目すぎだろ俺w

映画「エル・マリアッチ」鑑賞

ロバート・ロドリゲス監督のデビュー作品。一般的には「スパイ・キッズ」シリーズや、年明けに続編が公開予定の「シン・シティ」辺りが有名なんだろうが、俺たちB級映画野郎にとっては「フロム・ダスク・ティル・ドーン」「プラネット・テラー」「マチェーテ」等を生み出した神。
そんな監督のマリアッチ三部作*1第一弾ですな。


感想:ロドリゲスの原点ここにあり。
主役はアントニオ・バンデラスではないものの(制作費7000ドルじゃ無理もない)手に汗握るアツイ(アホな、とも言う)銃撃戦が見事に描かれています。突っ込み所は笑い所だ!
最初からこの調子だったんだなロドリゲス、安心したw


殺し屋に間違われたギター歌手(マリアッチ)が組織から逃げ回る話なんだけど、何気ないシーンとかにも味があって良かったです。ココナッツ水が美味そう。
こういうラストからデスペラードに繋がっていたのか…いやはや、もっと早くに観ておくべきだった。

映画「桐島、部活やめるってよ」鑑賞

神木隆之介主演の青春映画。原作小説はあれど公開当初は注目されず、口コミで瞬く間に評判が広がって2012年の日本アカデミー賞を受賞した程の有名作にのし上がりました。
作品の完成度があまりにも高く「桐島ショック」なる言葉も聞かれた位です。


感想:主人公は僕だった。
勿論ウィル・フェレルのアレとは何も関係ありませんw 主人公の映画ヲタクにあまりにも感情移入できすぎて。
俺自身、学生の頃は映画についてはたまに観る程度で全然詳しくなかったし、愛好という程でもなかった。
ただジャンルは違えどゲームヲタクで運動音痴、女と話すなんて機会は微塵もない、スクールカーストにおける最下層民に近かったわけです。高校生の頃なんて成績も悪かったから、ホントどうしようもなかった。
だから作中におけるサッカーチームの指名残留組のシーンなんて、涙なしには観られませんでした。


それに相対する、東出昌大演じるスポーツ万能で女にモテるヒロキに対する俺の嫉妬心といったら。
感情移入にも程があるだろと自分でも思うが、俺みたいな人間は少なからずいると思います。
いや、この学生達の性別や種類で考えたら、それぞれ同意できるキャラは違うんだろうな…


勿論それらの情報はあくまで装飾に過ぎず、前半はこれら人物の行動・言動をそれぞれの視点から同時間帯を何度も描いている手法なんですな。ふと映画「バンテージ・ポイント」を思い出した。
心情はモノローグとかで一切語らず、最後の最後まで全て観客の想像に委ねる演出。これが素晴らしい。


どのシーンを取ってもキャラの心情が色々考えられて面白い。それぞれ感情移入出来るキャラは違うだろうから観終わった人と語り合いたい作品に仕上がっています。こういう作りの映画(特に邦画)は実に貴重。
なるほど「桐島ショック」という言葉が生まれるわけだわ。本当、観て良かったです。

*1:続編は「デスペラード」「レジェンド・オブ・メキシコ」